赤葡萄で造る白ワイン!お肉料理にも!
イタリアを代表する有名な黒ブドウ品種サンジョヴェーゼから作られた白ワインで、元々家族所有のブドウ畑には白ワイン用の品種はなく、すべて黒ブドウであったのですが、ワイナリーとしての経営にはやはり白ワインも欲しいということから、2006年当時マルケ州で白ワイン醸造に関して名をとどろかせていたエノロゴ、ロベルト・ポテンティーニ氏とタッグを組み、赤ワインの品種から白ワインを作るという挑戦が始まりました。この試みに関しては周りからリスクが伴う大変な冒険であると批判的なことも言われましたが、結果はその懸念を払しょくする素晴らしい白ワイン作りに成功したのです。この勇気ある挑戦は、この土地で作られるブドウのポテン
シャルを信じ、またそれだけの手間暇をかけてブドウを育てているという自負に裏付けられていたからこそ。このファットリア・コルモーネの成功をまねて、その後追随するワイナリーも現れたとか。
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Fattoria Colmone Della Marcaファットリア コルモーネ / マルケ
「奇跡の井戸」の畑で、「目の届く仕事が大事だよ」
ちょっと畑に行ってみよう」と、ジョバンニは自ら経営するワイナリー Fattoria Colmone(ファットリア・コルモーネ)を案内してくれた。レストランから車で10分ほどクネクネ道を走って到着したのは絶景の中にある葡萄畑。ワイン畑の中ほどにはポツンと小さな小屋。中には井戸がある。誰からも「そんなところに水は出ない」と言われたが、お父さんの閃きで掘ったところ水が湧き出たことから「奇跡の井戸」と呼ばれている。「この畑は風の通り道になっていて、ブドウの生育にぴったりなんだ」とジョバンニ。すると高波代表がぶどうの植わっていないスペースを見つけ、畑を広げないのかと尋ねたところ「無理して広げないんだ。品質が第一。コントロールできる範囲ってのがあるからね。目の届く範囲が大事だよ」。ジョバンニはさらに言う「1に仕事、2に仕事、3にバカンスかな」。なんとも働き者!「ダ・ピエロ」と「クオルス」の縁 2016年のイタリア中部地震復興のためにクオルスがバーニャ・カバッロで催したチャリティーディナーに出席したジョバンニとの邂逅から始まった2つのレストランの交流。今年1月と2月にはクオルス・リストランテの横井シェフと五十嵐シェフがダ・ピエロで研修しました。「2人は厨房ですぐに我々チームの一員になったよ。まるで前からそうだったかのような自然さで。日本人シェフの技術 はもちろん、協調性や謙虚さは今でもスタッフの印象に残っているよ。ブラビッシモ!」と弟ピエル・ルイージ。