渋みも軽やかで、フレッシュ感のある辛口の赤ワイン
ヴァルポリチェッラ。舌を噛みそうな名前ですが、これはラテン語で、“ワイナリーがたくさんある谷間”という意味で、この地でワインが作られていたことは、紀元前5世紀までさかのぼって証明することができるそうです。また、古代ローマ時代には、初代皇帝アウグストの妃である、リヴィアがレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ(パッシートした甘口ワイン)を愛飲していたとう伝えられており、すでにワインの銘醸地として名が知られていたという、大変に歴史のあるワイン産地なのです。
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Corte San Benedettoコルテ サンベネディット/ ヴェネト
古都ヴェローナで長期熟成「アマローネ」をつくる小規模ワイナリー
イタリア北部でも東側にあるヴェネト州。紀元前に古代ローマの植民地として発展、今もその面影を留める世界遺産の街、ヴェローナの近郊カンティーナの名前コルテ・サン・ベネデット(CORTE SAN BENEDETTO)は5、6世紀ごろにイタリアで活動し、修道会の基礎をつくった聖ベネディクトに由来。一般に複数のブドウを使うワインは、搾ってから混ぜるが、ここでは収穫したブドウを混ぜ、一緒に搾るという。その比率はかつて、畑の面積で測ったという逸話を聞くと、カンティーナが土地とともに風土を受け継いだことが分かる。クオルスとの付き合いは8年前から。オーナーのアンジェロは「独立して最初のお客さんだったこともあってとても印象深い。今後もできる限りのことをしていきたい」と言った。