ダンテの「新曲」でも語られるBIO栽培ぶどうの力強い白ワイン
収穫は9月に入ってからすぐに、すべて手摘みで行われ、選りすぐりのブドウのみを使用して、温度管理された最新式のステンレスタンクを使用して低温発酵させ、フレッシュな香りを損なわないように行います。EvolutoはBIO栽培=オーガニック栽培(化学肥料を用いない)されたブドウを使用しており、中身はVernaccia di San Gimignano DOCGと同じものです。このヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノの歴史は古く、ダンテ・アリギエリの「神曲」(14世紀初頭)の中でも語られています。白ワインでありながら大変力強く、白ではめずらしい長期熟成も可能です。それゆえに、“白ワインの中の赤ワイン”と呼ばれている個性的なワインです。1966年にイタリアで一番最初にDOCを獲得したワインでもあります。
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Arcangelloアルカンジェロ/トスカーナ
波打つトスカーナの丘の上に立つ オーガニック食材とワインの家族ワイナリー
世界遺産・塔の街サンジミニャーノを望み、トスカーナの典型的な延々と続く波打った畑の丘の上に立つ「ポデーリ・アルカンジェロ」はサンドラを中心に家族でカンティーナ(ワイナリー)、そしてアグリツーリズモの宿を営み、たくさんの旅人を迎え入れている。オーガニックな製法でのブドウ・ワイン造り、オリーブオイルや野菜作りを実践。旅人はサンドラの母親・マリアさん手作りの地域の伝統的トスカーナ料理をワインと味わうことができる。ディナータイム遅くに到着した我々を迎えてくれたのは、暖かいフンギ(きのこ)のリゾットとバジルのパスタ、手作り感のある前菜の数々、当然相性抜群のこの家のワイン達。疲れた体に染み渡る「お袋の味」が本当に「美味しい!」と口に出る温かく印象的なディナータイム。「良いワインを作るには良いブドウを育てること。ブドウにとって良い環境と条件を揃えてあげて、後はちゃんと育つことを祈るだけ。まるで子育てみたいね(サンドラには二人のお子さんが。伺った夜もお友達たくさんとワイワイ宿題?をしていました)。この辺りは凝灰岩を含む粘土質土壌のテロワールで、この環境を最大限に活かしたブドウ作りの結果が現在の我々のワインの特徴。祖父も父もここでワイン造りをしていて、私自身も生まれた時からここでブドウ畑に囲まれて育ったので、それを受け継いでこの地域ならではのワイン造りをするのはとてもやりがいがあるし、自然なことなんです」。