赤葡萄メルローで造る希少な白ワイン
9月の初旬に収穫、ブドウはすべて手摘み、黒ブドウから白ワインを製造するため、破砕は果皮より余分な成分を抽出させないように、ソフトプレスにて慎重に行う。酵母は選択酵母を利用。ステンレスタンクにて最低5か月以上の成熟期間を経たのちボトリングされ、国際的な黒ブドウ品種メルローから作られた白ワイン。同じくファットリア・コルモーネが手掛ける、サンジョヴェーゼ種から作る白ワイン「ビアンコ・デル・モーロ」と同様の経緯で、エノロゴ、ロベルト・ポテンティーニ氏とタッグを組み生まれた白ワイン。ファットリア・コルモーネのメルローのブドウ畑の環境(ミクロクリマ=朝晩の水分を多く含んだ霧)は、そのポジションにおける風通し具合が驚くほど本場ボルドーの優良ワイナリーに似ていると、ボルドーをよく知る専門家から太鼓判を押されたとのことでワイナリーの自慢にもなっています。ただし本当に小さな規模の畑なので、そこで大事に育まれたメルローから作るこの白ワインの生産量は年間3500本程と大変希少です。
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Fattoria Colmone Della Marcaファットリア コルモーネ / マルケ
「奇跡の井戸」の畑で、「目の届く仕事が大事だよ」
ちょっと畑に行ってみよう」と、ジョバンニは自ら経営するワイナリー Fattoria Colmone(ファットリア・コルモーネ)を案内してくれた。レストランから車で10分ほどクネクネ道を走って到着したのは絶景の中にある葡萄畑。ワイン畑の中ほどにはポツンと小さな小屋。中には井戸がある。誰からも「そんなところに水は出ない」と言われたが、お父さんの閃きで掘ったところ水が湧き出たことから「奇跡の井戸」と呼ばれている。「この畑は風の通り道になっていて、ブドウの生育にぴったりなんだ」とジョバンニ。すると高波代表がぶどうの植わっていないスペースを見つけ、畑を広げないのかと尋ねたところ「無理して広げないんだ。品質が第一。コントロールできる範囲ってのがあるからね。目の届く範囲が大事だよ」。ジョバンニはさらに言う「1に仕事、2に仕事、3にバカンスかな」。なんとも働き者!「ダ・ピエロ」と「クオルス」の縁 2016年のイタリア中部地震復興のためにクオルスがバーニャ・カバッロで催したチャリティーディナーに出席したジョバンニとの邂逅から始まった2つのレストランの交流。今年1月と2月にはクオルス・リストランテの横井シェフと五十嵐シェフがダ・ピエロで研修しました。「2人は厨房ですぐに我々チームの一員になったよ。まるで前からそうだったかのような自然さで。日本人シェフの技術 はもちろん、協調性や謙虚さは今でもスタッフの印象に残っているよ。ブラビッシモ!」と弟ピエル・ルイージ。