シチリアの土着ぶどうを使ったミネラル豊富なコク
葡萄品種:ネレッロ・マスカレーゼ90%、ネレッロ・マンテラッート、ネッレロ・カプチーノ10% 熟成法:熟成は瓶内のみ、木樽の使用無し
エトナ山(ヨーロッパ最大の活火山)のワインは、その質の飛躍的な向上から、ここ10年で評価がぐっと上がり、注目を浴びています。この「エトナ・ロッソ」はその火山性土壌で栽培されるNerello Mascalese に、NerelloMantellato, Nerello Capuccioといったシチリアの土着品種/固有品種ブドウから生まれるミネラル塩の豊富さに由来するコクが特徴的です。またその色合いの美しさは、正に宝石のルビーを思わせる色合いに仕上げています。
AIS認定ソムリエ
クオルス・イタリア駐在員
小関智子 Tomoko Koseki
Fillipo Grassoフィリッポ・グラッソ / シチリア
シチリアの土壌を生かしたワインを家族で作るフィリッポとマリアータ兄妹
シチリア島東部、エトナ山がよく見えるカンティーナ(ワイナリー)でぶどう作りとワイン醸造を一家で営むグラッソ一家。ワイン作りは兄のフィリッポと妹のマリアータが中心に行っている。ワインだけでなく、オリーブオイル(販売中)や野菜もほぼ自分たちで育てている。「野菜やハーブは畑で採れたもので、チーズとサラミは友人が作ってるもの。うちの畑の草をヤギに提供する代わりにもらったり、兄フィリッポの作るワインやオリーブオイルと交換したり」。パンは週に一度、父フェルナンドが作る。「この地域では、ずっと前からこうして暮らしてきた」。お互いに必要なものを交換して成り立つ、自給自足に近い生活。マリアリータは「グレートエクスチェンジ(大きな交換)」と言った。そこには人と人だけでなく、この土地の太陽や風、土など、自然と環境のすべてが関わり合っているのだろう。